マルチクラウドの重要性-複数のクラウドサービスを効率的に使い分ける-

マルチクラウドの重要性-複数のクラウドサービスを効率的に使い分ける-

ファイルの共有・管理を行う際は、クラウドサービスを活用するのが標準になりつつあります。データ容量の増加や取引先ごとに異なるクラウドサービスを活用している企業もあり、複数のクラウドサービスを活用する、いわゆるマルチクラウドを導入する企業も少なくありません。マルチクラウドにはさまざまなメリットがありますが、反面、デメリットもあるため、活用には十分な注意が必要です。マルチクラウドを導入する際のポイントについてお伝えします。

近年、多くの企業で導入が進むマルチクラウドとは?

ひと口にクラウドサービスといっても、その種類や利用形態はさまざまです。種類としては、企業や組織など不特定多数のユーザーとクラウドを共有する「パブリッククラウド」と、1企業(または組織)だけでクラウドを利用する「プライベートクラウド」の2種類があります。利用形態は、大きく分けて次の2つに分類できます。

1. ハイブリッドクラウド

パブリッククラウドとプライベートクラウドをミックスさせ、それぞれを接続してひとつのシステムを成立させる利用形態です。用途に応じて、それぞれのクラウドのバランスをとりながら管理します。クラウド環境とオンプレミス環境をミックスさせたものをハイブリッドクラウドと呼ぶ場合もあります。

2. マルチクラウド

複数のクラウドサービスを並列で活用する利用形態です。ハイブリッドクラウドのようにそれぞれのサービスを接続しないで、用途に応じてクラウドサービスを使い分けます。複数のパブリッククラウドの併用が一般的ですが、パブリッククラウドにハイブリッドクラウドを併用する場合もあります。

現在、多くの企業は、パブリック/プライベートにかかわらず、複数のクラウドサービスを活用して効率的に業務を進めています。2018年7月、Forrester Consulting社が世界中の企業のクラウド戦略やアプリケーション管理の意思決定者を対象に調査を行いました。調査結果によると、自社の戦略を「マルチクラウドである」と回答したのは実に全体の86%にもおよんでいます。

マルチクラウドを活用するメリット

世界中で多くの企業がマルチクラウド戦略を採用している背景には、それだけ「マルチクラウドに多くのメリットがある」という理由があります。企業にとって、マルチクラウドの活用が「利益の向上につながる重要な戦略」のひとつであることの証明ともいえるでしょう。ここでは、数あるメリットのなかでも主なものを紹介します。

1. 大容量のデータを扱える

複数のクラウドサービスを使えば、当然、扱えるデータ量も大きくなります。「ひとつのクラウドサービスで大容量プランを選択したほうが効率的」という考え方もありますが、大容量かつ高速にデータ処理をしようとすれば、「コストが増加する」という問題が生じます。複数のサービスに分けたほうが、コストを抑えつつ、大容量のデータを高速処理できる可能性が高いのです。

2. ベンダーロックインを避けられる

クラウドサービスをひとつに絞ると、契約や管理の手間が軽減する半面、依存率が高くなり、システム変更や値上げの際に別のサービスへ移行することが困難になります。これを「ベンダーロックイン」といいます。マルチクラウドであれば、いずれかのクラウドサービスになんらかの変更があっても、すぐに移行できるため、ベンダーロックインのリスクが小さいのです。

3. 用途に応じた使い分け

クラウドサービスは独自機能やサービスを付加することで、競合サービスへの移行を防いでいます。マルチクラウドの場合、用途に応じてサービスを使い分けられるため、各サービスの利点を生かした運用が可能です。例えば、データの高速処理に強いサービスには「ホットデータ」、大容量データの保管を低コストで実現するサービスには「コールドデータ」を振り分けると、効果を最大限に享受できます。

4. BCP対策

地震や台風が頻発する日本では、万が一の際に基幹事業を継続していくためのBCP対策が必須です。マルチクラウドの場合、ひとつのクラウドサービスが災害によりサービス停止となっても、別のクラウドサービスを使って事業を継続できるケースがあります。緊急事態においても、被害を最小限に抑えることが可能です。

5. コスト削減効果がある

複数のクラウドサービスを使えば、単純にコストも2倍、3倍になると思うかもしれません。しかし、上述したように、用途によってサービスを使い分けたほうがコストを抑えられるケースも少なくありません。マルチクラウドでも、オンプレミス環境を上手に活用して、クラウドサービスと使い分けるといった工夫次第で、コストを削減することは可能です。

マルチクラウドを活用するデメリット

マルチクラウドにはさまざまなメリットがありますが、少なからずデメリットも存在します。具体的には以下の2点が考えられます。

1. 管理が煩雑になる

3つのクラウドサービスを活用する場合、契約の手間も3倍になります。また、「どのクラウドサービスにどのデータを保管しているか?」といった管理も煩雑になり、状況によっては「重要なデータが見つからない」といったトラブルも発生します。管理の煩雑化は、そのまま業務効率の悪化にもつながるため、時間とコストの両方の損失になりかねません。

 

2. セキュリティリスクが高まる

もうひとつの大きなデメリットは、セキュリティリスクの増大です。利用するサービスが増えれば、管理の手間が2倍、3倍に増えるように、セキュリティリスクも2倍、3倍になります。もちろん、多くのクラウドサービスはセキュリティ対策を十分に施しています。しかし、コスト削減ばかりを考えてサービスを選択すると、場合によってはセキュリティリスクが高まり、万が一の際に大きな損害を被る可能性があるので注意が必要です。

まとめ:マルチクラウドの活用はハイブリッドクラウドも視野に

マルチクラウドには、大容量データの蓄積はもちろん、重要なデータを分散して保存できるなどのメリットがあります。現在のデジタルトランスフォーメーション時代にマッチしたクラウドの活用方法といえるでしょう。その反面、「管理が煩雑化する」、「セキュリティリスクが高まる」といったデメリットもあるため、活用には十分な注意が求められます。そこで、マルチクラウドをより効率的に活用する方法として、おすすめなのが「ハイブリッドクラウド」です。

複数のクラウドサービスを併用しながら最適な運用を目指すマルチクラウドに対して、ハイブリッドクラウドでは、複数のクラウドを一括管理しつつ、自社内のストレージも組み合わせて活用します。すべてのデータをクラウドに預ける場合に比べて、より柔軟な対応が可能で、効率化も進みます。

このストレージシステムを実現するには、多様なアプリケーションワークロードを高速処理が可能で、高可用性、さらには数ペタバイト規模での処理が可能な、INFINIDATのInfiniBoxをおすすめします。クラウドサービスと連携させることで、定期的なバックアップ作業が不要となり、ディザスタリカバリ環境を構築し、耐災害性を向上することもできます。企業のニーズにあらゆる視点での対応が可能です。