ストレージのオーバープロビジョニング課題とその最適な解とは?

すでに、企業には社員の情報をはじめ膨大な量のデータが保管されています。そして、今後も扱うデータ量は増え続ける傾向にあります。もちろん、企業におけるITの重要性はあらためて認識するまでもありません。サーバーを継続して稼働させる「可用性」の確保だけでなく、社内外からは操作面での「処理の速さ」を求められます。さらに、「コスト」や「安全性の担保」も考えなければなりません。こうした流れの中で登場したオーバープロビジョニングという課題に対して、近年、注目されている従量課金制のオンプレミス・ストレージとの関係性をまとめてみました。

オーバープロビジョニングの必要性と課題

オーバープロビジョニングの今後の役割や重要性について、あらためて考えてみます。

増えるデータ、ますます可用性を求められるシステム

企業が継続する限り、毎年、記録として残さなければならないデータが増えていきます。それにともない、電子帳簿保存法やe-文書法が施行され、これまで紙の記録しか許されていなかった伝票類などが、一定の用件を備えていればスキャニング画像での保存が認められるようになりました。また、コミュニケーション手段は、電話から電子メールやチャットなどへ変化し、テキストデータを短時間に交換するかたちが主流になってきました。これに合わせて、いつでもどこでもコミュニケーションや仕事ができるようにモバイル機器のビジネス活用も増えています。さらに、今後はIoTやAIといった技術の導入も見込まれており、これらがデータ拡大要因のひとつになることは間違いありません。その結果、急激な容量拡大に合わせたシステム対応の重要度は、ますます高まっていくでしょう。

一般的なオーバープロビジョニングへの対処法

「予想以上にデータ容量が増えた場合の備え」としてのオーバープロビジョニングですが、すべてを自前のシステムで持つオンプレミスでは、コスト的に厳しいという現実があります。その打開策のひとつとして、クラウドストレージを利用する方法があります。「購入する」「構築する」といったコストを、外部のリソースから「借りる」という運用にすることで、急激な容量拡大にも対応できます。同時に、自社システムを拡充するためのコストなどを抑制することも可能となります。

ストレージ利用の現状と今後

今後の状況変化に備えて、オーバープロビジョニングは必ず準備しておかなければならないものです。より効率的かつ効果的に、そして安全かつコストパフォーマンスの高いものにするには、データの計画的な管理が必要になります。

ストレージへの負荷の増大

IDC Japanの調査によると、2018年度まで国内のストレージ需要をけん引してきたのはデータベース/アプリケーションのパフォーマンス向上であり、続いて2020年度まではビッグデータ/アナリティクスの活用、2021年度以降はAI(人工知能)の活用が需要拡大の要因になると報告されています。これはデータの移行や最適配置、運用コスト管理の重要度が増していくことを意味しています。その一方で、同社のアンケート調査によると、「これらをデータ管理ポリシーに含めている」という回答はいずれも20%未満という低い結果でした。予想されるストレージへの負荷増大について、オンプレミスとクラウドによるハイブリッド環境のもとで、適切な運用と管理による負荷やコストの低減措置が求められるということです。

クラウドをリソースとして活用

将来のデータ管理において、クラウド活用の重要性はむしろ高まっています。そのカギは「可用性を確保したクラウドストレージサービスの最適な利用」であり、クラウドファーストがさらに根付いていく背景にもなるでしょう。

データのランク付けとストレージの選択肢を多く持つことのメリット

企業には、基幹システムの経理データをはじめ、顧客情報や営業情報、ホームページへの問い合わせの記録など、さまざまなデータが保管されています。これらのデータは価値がある反面、管理コストなど大きな負担がかかっていたとも言えます。今後は、BI(ビジネスインテリジェンス)のためのデータ活用やAIによる事務作業の自動化などの面で、企業が持つデータの「利用価値」は一気に拡大していくでしょう。

データを管理するにあたって、コストの把握とコントロール、保全のためのセキュリティ、共有や二次活用を目的としたデータの検索性などを実現するには、データのランク付けと将来の運用も踏まえた新しい管理手法が求められます。オンプレミス/クラウド/ハイブリッドという三つの分類だけでなく、もっと多くの選択肢を考えておく必要があります。

従量課金でのストレージ利用

このようにストレージの役割が変化するなかで、オンプレミス環境での利用にもかかわらず「コストは使った分だけ」という従量課金制のストレージ調達方法が誕生しています。

データの重要度とオンプレミス・ストレージのニーズ

「重要なデータは社外に出したくない」という考え方は、やはり根強いようです。しかしオンプレミスによる運用にはコストの問題が付随します。ハイブリッド環境にして、クラウドに多くのデータを預けたとしても、可用性のためのオーバープロビジョニング環境はやはり確保しなければなりません。「オンプレミスのストレージコスト」、そして「クラウドのストレージコスト」、さらに「オーバープロビジョニングの環境コスト」の三つがITストレージの総コストになります。

オンプレミス+従量制課金のメリット

「オンプレミスのストレージコスト」「クラウドのストレージコスト」「オーバープロビジョニングの環境コスト」、これら三つを見ると、一見どれもコストダウンをするのは難しく思えます。特にオンプレミスに関しては、クラウドの利用以外にコストダウンの手はなさそうに見えます。

そこで考えたいのが、従来と同様のオンプレミスでありながら、利用量に応じた従量課金制のサービスです。まず、完全な購入に比べて、調達をより早く実現できるのがメリットとなります。自社開発のアプリケーションが多く、社内のオンプレミス環境にデータを保管したい場合などに向いていると考えられます。また、「オーバープロビジョニングを安いコストで確保できること」も特長として挙げられるでしょう。オンプレミスは固定費となるのが当たり前ですが、オーバープロビジョニングとして発生した使用量を従量制の課金にできるとなれば、「過剰な固定費」を変動費に変えることができます。

つまり、ハードウェアを社内に置き、利用料だけを支払う「従量制課金のオンプレミス」が最適な解となる訳です。現在、主流であるオンプレミス+クラウド=ハイブリッドに、新たな選択肢が加わったといえるでしょう。

まとめ:「従量制課金」は世の中の流れ、コスト対応力の手段に

オンプレミスが重要であるという考え方と、コスト対応力のあるクラウドが有望であるという見方、そのどちらにも一理あります。また、すべてのデータが手元にあることが正解という訳ではありません。しかし、できれば「手元に安く、可用性を確保しつつ置いておきたい」というのが本音でしょう。それに応えるのが、「オンプレミス・ストレージ+従量制課金」というサービスです。オーバープロビジョニングを考えるときの一つの解と言えるのではないでしょうか。