ペタバイト単位のデータを当たり前に扱う時代がやってくる!

データの単位として最もよく耳にするのは、通信量に使われる「ギガバイト(GB)」ではないでしょうか? しかし、あらゆるものがIT化され、ビッグデータをビジネスに活用するようになった現在では、ペタバイト(PB)という単位が普通に使われるようになっています。この記事では、「ペタバイトとは何か?」「どういうところで使われているのか?」から、ペタバイトが当たり前になる社会についてまで、紹介します。
ペタバイトとは?
ペタバイトとは、データ量の単位のことで、PB(petabyte)とも表記されます。テラバイトより一つ大きく、エクサバイトより一つ小さい単位になります。1ペタバイトは1,024テラバイト(約1,125兆バイト)にあたります。また、ペタバイトは簡単に千兆バイトといわれることも多いです。
ペタバイトという単位が使われるケースが増えている
ペタバイトはとても大きな単位なので、一般ユーザーには関係のない話のように思えるかもしれません。しかし、最近はビジネスで使われるデータ量が飛躍的に増えてきており、一つの工場や事業所で1日に生成されるデータが1ペタバイトにおよぶことも珍しくはありません。
取り扱うデータの量が増えている背景
ビジネスで使われるデータ量が増えた理由としては、以下が挙げられます。
- データをやり取りする機器の増加
IoTが進み、さまざまな機器がネットワークを介してデータを流すようになった。 - データがビジネスに活用される機会の増加
ビッグデータをはじめとするデータが、マーケティングや売上分析など、さまざまな分野でビジネスに活用されるようになった。 - クラウドサービスの増加
ビジネスでもクラウドサービスが多く使われるようになり、データをやり取りする回数が増えた。 - 大きなコンテンツの増加
解像度の高い動画や音楽のように多くのコンテンツがデジタル化され、大容量のデータをやり取りする機会が多くなった。
これらの結果、1日でペタバイトクラスのデータが生成されることも少なくありません。
重要なデータの増加
データの量だけでなく、データの重要性も増しています。個人情報や経理情報など、取り扱いに注意が必要な情報が「データ」として扱われるようになってきたからです。そのため、これからは、速度の面でもセキュリティの面でも、ペタバイト規模のデータを安心して扱えるようなシステムや環境が必要になります。
データの増加による社会の変化
データの量が増え、重要性が高くなった結果、社会には次の二つの変化が起こっています。
- デジタルトランスフォーメーション(DX)の進行
- データ駆動型社会への変化
デジタルトランスフォーメーション(DX)とは
デジタルトランスフォーメーション(Digital transformation;DX)とは、ICT(Information and Communication Technology;情報通信技術)の浸透により人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる、という概念です。デジタルシフトともいいます。ビジネス用語としては、「最先端のITを活用して業務やビジネスモデルを変革していく」という概念です。
総務省によると、現在はちょうどデジタルトランスフォーメーションが進みつつある段階で、これから社会に大きな影響を与えていくとされています。
デジタルトランスフォーメーションで活用される技術
デジタルトランスフォーメーションが進むと、インフラや組織など、社会のさまざまな場所でICTが普及します。その結果、次のような技術がより一層活用され、新たな価値を生み出すようになります。
- IoT(Internet of Things;モノのインターネット)
さまざまな機器がインターネットに接続され、相互にデータ通信することで自動的に機器を制御し、より高い価値を生む技術。 - AI(Artificial Intelligence;人工知能)や機械学習
高度なデータ分析やデータ処理を行うことでパターンを見つけ出し習得する技術。 - RPA(Robotic Process Automation;ロボットによる業務自動化)
ソフトウェアロボット、デジタルレイバー、仮想知的労働者とも呼ばれる。ホワイトカラーの定型業務を自動化する技術。
これらの技術が活用され、デジタルトランスフォーメーションが進行することで、ビジネスモデルや産業構造が大きく変化していきます。そして、デジタルトランスフォーメーションの進行は、データ駆動型社会への後押しとなるのです。
デジタルトランスフォーメーションのリスク
とはいえ、デジタルトランスフォーメーションにはリスクもあります。大きなリスクは次の三つです。
- インフラの複雑化
デジタルトランスフォーメーションが進むと、今よりもスピーディーなビジネスが要求されます。そのため、クラウドサービスがさらに積極的に使われていくでしょう。ビジネスに使われるサーバーは、オンプレミスサーバーからクラウドサーバー、ハイブリッドクラウド、マルチクラウドなどに移行、または併用されています。データ通信回線も光回線をはじめ、Wi-Fi、LTE、5Gなど、いくつもの回線を使い分けることになり、インフラ環境はどんどん複雑化していきます。インフラが複雑化すると、データの保護やバックアップなどの管理体制も複雑化していき、場合によっては対応しきれなくなるかもしれません。 - データ活用の多様化
IoTやAI、RPAの活用が進むと、ビジネスで扱うデータの量や種類が飛躍的に増加していきます。そのため、オンプレミスサーバーだけでは保存やバックアップが難しくなり、クラウドサービスの利用が増加します。ただし、クラウドサービスは必ずしも自動的にバックアップを取ってくれるとは限りません。自分で設定しなければならない場合もあります。 - 外部脅威の増加
データの重要度が増すと、データの消失や漏えいへの懸念も大きくなります。サイバー攻撃や自然災害など、外部からの脅威に対して十分な対策が求められます。近年は、重要なデータを人質に取って身代金を要求するランサムウェアも登場しており、リスクは増大する一方といえます。
デジタルトランスフォーメーションを実現するには安定したストレージが必要
これらのリスクを顧みると、デジタルトランスフォーメーションを実現するには、「バックアップやセキュリティ対策がしっかりと施されたストレージが重要になる」ということを自然に理解できると思います。
データ駆動型社会とは
データ駆動型社会とは、「データ駆動型アプローチ」が普通になった社会のことを指します。「データドリブン社会」と呼ばれる場合もあります。データ駆動型アプローチとは、データを収集、分析して、その結果をもとに意思決定や課題の解決などのアクションを起こしていく手法です。
データ駆動型アプローチの特徴は、最初に大量のデータを収集することです。この時点では、特に目的を定めていません。ちなみに、従来のように目的を明確にしてデータを収集することを「目標達成型アプローチ」と呼びます。IoTやAIの普及により、これからは「データ駆動型アプローチ」へ移行していくといわれています。
データ駆動型アプローチは、あらゆる産業分野に応用することが可能です。企業経営に関わる意思決定にデータ駆動型アプローチを使う場合は、「データ駆動型経営」と呼ばれることもあります。
データ駆動型社会に必要なもの
データ駆動型アプローチでは、大量に蓄積してあるデータを活用します。それを実現するためには、大量のデータが加工せずに収集されており、すぐに活用できる状態になっていなくてはなりません。さらに、データ駆動型アプローチにより得られたデータも、新たなデータとして蓄積されていきます。その結果、IoTのように大量のデータを生成・共有するシステムと、データウェアハウスのようにさまざまな種類のデータを大量に保存できるストレージが必要になります。
もちろん、データ駆動型アプローチを進めていくには、データ分析の専門家であるデータサイエンティストや、必要な知識を持ったユーザー(管理者)の知見も欠かせません。データを収集するIoT、データ分析を行うAI、知見を持ったユーザー(管理者)により、適切なデータの活用が可能になります。
まとめ:データ量の増大に対応するには安心できるストレージが必要
IoT化やデータ駆動型社会への移行が進むにつれて、扱うデータ量は飛躍的に増大していきます。それは「企業の規模や業種に関係ない」と言っても過言ではないでしょう。もちろん、扱うデータ量が増えれば、いまよりも高性能なストレージが求められます。ペタバイト単位のデータを安心して扱えるデータストレージとして、「InfiniBOX」を推奨します。高いパフォーマンスと可用性で、ビジネスデータを安心して取り扱うことができます。